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プロジェクト管理手法PERT図

PERT図(Program Evaluation and Review Technique)は、プロジェクト管理手法の一つであり、タスクのスケジューリングや期間の見積もり、リソースの割り当てなどを効率的に行うために使用されます。この手法は、1950年代にアメリカ海軍によって開発され、特に複雑なプロジェクトの管理に役立ちます。以下に、PERT図の概要と作成方法について説明します。

  1. タスクの特定 プロジェクトを構成するすべてのタスクを特定します。これらのタスクは、プロジェクトの目標達成に必要な作業やアクティビティです。
  2. タスク間の関係の特定 各タスクがどのように相互に関連しているかを明らかにします。タスク間の依存関係を理解することで、順序や優先順位を決定できます。
  3. タスクの期間の見積もり 各タスクが完了するのにかかる時間を見積もります。通常、最短期間、最長期間、最も可能性のある期間の3つの見積もりを行い、タスクの期間を正確に予測しやすくします。
  4. クリティカルパスの計算 クリティカルパスは、プロジェクトの開始から終了までの最も長いタスクの連鎖であり、プロジェクトの総期間を決定します。クリティカルパスに含まれるタスクが遅れると、プロジェクト全体の遅れが発生する可能性があります。
  5. PERT図の作成 タスクとその関係性を視覚化するために、ノード(丸や四角などの形状)と矢印で構成される図を作成します。ノードはタスクを表し、矢印はタスク間の依存関係を示します。この図を使って、プロジェクトの進行状況を追跡し、問題が発生した場合には適切な対策を講じることができます。

PERT図を使用することで、プロジェクト全体の概要を把握し、リソースを効果的に管理し、期間を適切に見積もることができます。また、リスクの特定や問題解決にも役立ちます。

ガントチャートとの違い

ガントチャートとPERT図は、どちらもプロジェクト管理に使用されるツールですが、異なる目的と特徴があります。

ガントチャートは、タスクのスケジューリングと期間を視覚化するために使用されます。横軸に時間を示し、縦軸にプロジェクトのタスクをリストします。各タスクは、開始日と終了日を示す横棒で表されます。タスク間の依存関係も矢印で示すことができます。ガントチャートは、リソース割り当てや進捗の追跡に役立ちます。

一方、PERT図は、タスク間の依存関係やクリティカルパスを視覚化するために使用されます。ノード(丸や四角などの形状)と矢印で構成され、各タスクの期間や順序が明確になります。この図は、リスクの特定や問題解決に特に役立ちます。

要約すると、以下のような違いがあります。

  1. 表現方法: ガントチャートは横棒グラフで表現され、タスクの期間が直感的にわかります。PERT図はノードと矢印で表現され、タスク間の依存関係とクリティカルパスが強調されます。
  2. 目的: ガントチャートはタスクのスケジューリングと期間の管理に焦点が当てられています。PERT図は、タスク間の依存関係やリスクの特定により適しています。

両者は互いに補完する機能を持っており、プロジェクト管理を効果的に行うために、組み合わせて使用されることが多いです。どちらを使用するかは、プロジェクトの目的や管理者の好みによって異なります。

実践する上で注意すること

PERT図を実践する際には、以下のような注意点があります。

  1. タスクの明確な定義 プロジェクトの全体像を明確に理解するために、各タスクを正確かつ明確に定義する必要があります。これにより、タスク間の依存関係を正確に理解し、予測精度を高めることができます。
  2. 期間の適切な見積もり タスクの期間を正確に見積もることが重要です。見積もりが不正確だと、プロジェクト全体の期間やクリティカルパスの計算が正確にならず、スケジュール管理が困難になります。したがって、見積もりには、実績値、類似プロジェクトのデータ、専門家の意見などを使用することが望ましいです。
  3. クリティカルパスの注意 クリティカルパスにあるタスクの期間に遅れが生じた場合、プロジェクト全体の期間に影響を与える可能性があります。したがって、クリティカルパス上のタスクには、高い注意を払う必要があります。
  4. リスク管理 PERT図を使用する場合、リスク管理も重要です。可能なリスクを特定し、それらに対する対策を計画することが必要です。また、リスクの発生に備えて、タスク間の余裕(スラック)を設けることも重要です。
  5. 定期的な更新 プロジェクトが進行するにつれて、タスクの完了期間や依存関係、リソースの割り当てなどが変更される可能性があります。したがって、PERT図を定期的に更新し、実際の進捗との比較を行い、必要に応じてスケジュールや予算の再調整を行う必要があります。

以上の点に留意することで、PERT図をより有効に活用し、プロジェクト管理を効果的に行うことができます。

PERT図を簡単に作成するためのアプリ

PERT図を作成するためのアプリは、多数あります。以下は、いくつかのおすすめのアプリです。

  1. Smartsheet Smartsheetは、企業向けのクラウドベースのプロジェクト管理ソフトウェアであり、PERT図の作成に適した機能があります。ユーザーフレンドリーで使いやすいUIと多機能性が特徴です。
  2. Lucidchart Lucidchartは、クラウドベースのダイアグラム作成ソフトウェアです。多機能性が高く、PERT図を作成するのに最適です。スラックやクリティカルパスなど、プロジェクト管理に必要な機能を備えています。
  3. Microsoft Project Microsoft Projectは、マイクロソフトが提供するプロジェクト管理ソフトウェアです。PERT図の作成に加え、ガントチャートやリソース管理など、プロジェクト管理に必要な機能が充実しています。ビジネス向けの機能が多く、利用者も多いです。
  4. Wrike Wrikeは、タスク管理、プロジェクト管理、チームコラボレーションなど、企業向けのオールインワン型クラウドツールです。PERT図の作成に必要な機能を備えており、柔軟な設定が可能です。
  5. Asana Asanaは、タスク管理、プロジェクト管理、コミュニケーション、コラボレーション機能を持つクラウド型プロジェクト管理ツールです。PERT図を作成する機能もあります。

これらのアプリは、それぞれ特徴があります。プロジェクトの規模や目的に合わせて、最適なアプリを選択することが重要です。

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